悟りをひらくと人生はシンプルで楽になる
今日は、多くの人に影響を与えたエックハルト・トールの「悟りをひらくと人生はシンプルで楽になる」P22から引用します。
問い:「さとる」って、いったいどういうことなんですか?
答え:三十年あまりも、道ばたで物乞いをしている男がいたとします。
ある日のこと、通りかかった人に野球帽を差しだすと、お決まりのせりふを口ごもりながら言いました。
「あわれな物乞いにお恵みを」
通行人は、答えました。
「あなたに差し上げられるものは、わたしにはありません。ところで、君が腰かけているその箱はなんですか?」
物乞いは、思わぬ質問に、とまどいました。
「この箱ですか? なんてことのない、ただの古ぼけた箱ですよ。私は、ずっと長い間、こいつに腰かけてるんです」
そこで、通行人はたずねました。
「箱の中を開けてみたことはあるのかい?」
物乞いは、笑いました。
「いいえ、開けてみたことなんか、ありませんよ。そんなことして、なんになるんです? どうせ中身は、空っぽですよ」
通行人は、うながしました。
「とにかく、一度、開けてごらんよ!」
物乞いは、いままで座っていた箱のふたを、面倒くさそうに開けてみました。
すると、びっくり仰天!
なんと、空っぽだと思いこんでいた箱には、黄金が、びっしりとつまっていたのです。
物乞いは、大喜び!
わたしは、このお話の中の、通行人のようなものです。
あなたになにかを「与える」わけではありませんが、そのかわりに、
「箱を開けてごらんなさい」とうながしているんです。
ここで言う「箱」とは、「あなたの内面」という意味です。
あなたは、きっと、「わたしは物乞いなんかじゃないですよ!」と、反論なさることでしょう。
しかし、ばく大な財産に恵まれていたとしても、まだ、「大いなる存在」の輝きと、
心の平安という「真の富」を手にしていない人は、物乞いと同じようなものです。
そのような人たちは、自分の外側に、むなしい快楽や満足感を求め、自分の存在価値や愛情を探しているものです。世界が与えてくれる、どのようなものとも比較にならないほど素晴らしい宝物が、自分の中に眠っていることに、まだ気づいていないからです。
エックハルト・トールの本だけでなく、このような話を何度も聞きました。そして、聞くたびに、こう思ったものです。
私の中に眠っている箱を開けてみたら、と言われても、その開け方がわからないから、困っているんだ! 早くその方法を教えてくれ!
何度、そう思ったことでしょうか?
今は、過去の自分にこういいます。
彼らが言っていることは、真実だよ。箱の開け方は、何度も本に書かれているし、他の覚者達もいろんな方法で教えているよ。しかし、いくら箱を開ける方法を教えたとしても、おまえが、箱を開けなければ、宝をみることはできないんだよ。
こんなことを言われたら、過去の自分は反論します。
ちょっと、まって、未来の私さん、箱を開けたくても、その方法もよくわからないし、どこにそもそも箱があるんだよ。私の内面にあると言われても、それがどこだかわからないじゃないか?
未来の私(今の自分):
そのような質問をしてくると思っていたよ、だから、私は、やれることを全部やってみたんだ。これが悟る方法だと聞けば、そのようにしてみた。やってみてわかったことは、私がやってみたことの90%は、よけいなことだった。必要なのは10%だけだった。でもそれらをやることで、いろいろなことに気づけたものさ。とにかく、おまえが今できること、こうすれば悟るといわれていることを、ひとつずつやってみることだね。それがおまえにとって、近道だと思うよ。
過去の自分:未来の私がいうことだから、とにかくやってみることにするか、トホホ、その10%の方法だけを教えてくれたらいいのに、何でそれを教えてくれないんだ。
未来の私(今の自分):それをお前に教えても、やらないとわかっているから、教えないんだよ。全部やってみた後で、おまえはそれをやろうとする気になるからね。今は、私の言うことを信じてやってみておくれ。私は未来のお前なんだから。
過去の自分:わかったよ。とにかくやってみることにするよ。今できることは、瞑想することと自分を愛することなので、それを実践するね。
今後のイベントなど
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