存在し、存在しない、それが答えだ

今日は、「存在し、存在しない、それが答えだ」ダグラス・E・ハーディング (著)です。

今回は、翻訳者の髙木悠鼓さんのあとがきが印象的だったので、それを紹介します。

訳者あとがき P304
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ダグラス·ハーディングの教えと本との出会いは、1980年代の後半にまでさかのぼる。
『マインズ·アイ」(D . R·ホフスタッター著、D.C.デネット編著 TBSブリタニカ発行)という本に掲載されていた彼の文章に非常に強い印象を受け、ハーディングなる人物がどういう人でどんな本を書いているのかに私は興味をもったのだ。

当時はまだインターネットもない時代で、本や著者の情報を得るのに苦労したが、何とか彼の本を手に入れ、
彼が1909年生まれのイギリスの哲学者であることを突きとめた。彼の本をじっくりと読み始め、自分で実験をやってみて、すぐに「私の透明なる本質」を見ることができ、また彼が言わんとしたことの要点を少なくとも知的には理解することができた。何よりも、長年私を悩ませ続けた「般若心経」が語る言葉がようやく意味を為すようになり、喜びを感じたものだ。

しかし、その一方で、ハーディングの教えや本に最初に接するほとんどの人が思うように、彼の言っていることがあまりにシンプルすぎて、「いやいや、指さし一つで、自分の本質を見ることができるなんてありえないことではないか? もしこれが真実なら、悟りと称するものを達成するために、厳しい修行をしている人たちは一体何をやっているのか?」という疑問が浮かび、それ以外にも様々な疑問が湧き起こり続けた。

さらには自分の本質を見ても、人間としての自分が別段変化したとも思えず、むしろだんだん自分がひどくなるような感じさえする時期もあった。

たった一つ、実験をやって最初に明確に感じた変化と言えば、世界がより美しく、人の顔もより美しく見えるようになったことだった。

様々な疑問が湧き起こったにもかかわらず、何事においてもシンプルなことが好きな私は、ハディングの実験のシンプルさと手軽さに魅了され、またハーディングがいつも警告するように、「他人の言葉を信じないで自分で実証する」というスタイルに非常に共感した。

だから私は、「信じないように努力し」、感じた疑問を一つひとつそれが解消するまで保存しながら、地道に実験を続けることにした。

スピリチュアルなワークとしては,それまで読書以外にほとんど何も自分には向かなかったが、その点、ハーディングが開発したワーク(実験)は、いつでもどこでもでき、お金がかからず、時間もほとんど必要なく、先生も必要なく、私にまさにピッタリだった。

結局私が怠け者であることが功を奏して、続けることができたのかもしれない。

今にして思えば、「自分がひどくなるような感じ」とはエゴ的な観点からの解釈であり、本当は自分の中に隠れていたエゴの様々な残存のようなものが明らかになったという恩寵だったのだ。なぜ恩寵かというと、エゴ的なものが明らかになり、それが自分の中心に所属しているものではなく、向こうにあることを見るとき、エゴ的なものとあえて戦う必要もなくなり、ハーディングがいうところの「鏡の中の人」の不完全さ、利己主義をありのままに受容することができるからだ。

そのとき現象世界という鏡の中の人々や物事のことも、しだいにありのままに受容することができるようになるのである。

そして90年代に半ばに、偶然にも私は彼がまだ生きていて、しかもヨーロッパやアメリカでワークショップをやっていることを知り(私は彼の年齢から判断して、すでに亡くなっているとずっと思い込んでいた)、彼に会いにヨーロッパに出かけてワークショップに参加した。

90年代はまだ参加者も少なかったので、親しくお話する機会にも恵まれ、そういったご縁をいただいたことも、私の探求を後押ししてくれるのに非常に役立ったと思っている。

また90年代は、ハーディングのワークショップに参加したり、彼を日本に招待するかたわら仕事の関係もあって、チャネリング系の本から、非二元系、その他ありとあらゆる種類のスピリチュアル系、そして科学系の本を読んで、「究極の真実とは何か」を、あらゆる角度から考えた時期でもあった。

同時にハーディングの実験も続け、彼が語ることの意味も探求し続け、あるときから、彼の教えは宗教やスピリチュアルよりもむしろ現代科学の発見によって実証されうるという確信を得るようになり、そうなると、見ることへの信頼も育っていった。現代科学が私たちの本質を探究するのにどう役立っているのかについては、本書でも詳しく触れられている。

彼の教えと実験のおかげで私の中で宗教と科学が最高の「結婚」をし、その幸福な結婚は現在もずっと続いている。
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数年前、ダグラス・E・ハーディングの実験を、お話会やセミナーで何名かの方にやってもらったことがある。30%ぐらいの人が、高木さんが言っているような、「私の透明なる本質」を発見された。

しかし、「自分の本質を見ても、人間としての自分が別段変化したとも思えず、むしろだんだん自分がひどくなるような感じさえする時期」もでてくるから、その体験をした人も、本当に覚者たちが言ってるソレを垣間見たのか疑問に思ってしまうことにもなる。

ハーディングが開発したワーク(実験)の利点は、高木さんが言っているように「いつでもどこでもでき、お金がかからず、時間もほとんど必要なく、先生も必要ない」ことだと思う。

翻訳者の高木さんの下記の言葉が素晴らしく、心をうつ。

彼の教えと実験のおかげで私の中で宗教と科学が最高の「結婚」をし、その幸福な結婚は現在もずっと続いている。

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